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朝吹真理子新作『Timeless』の内容は?皆の感想まとめ~ゆっくり味わって読みたい一冊

2018年の6月、芥川賞受賞後7年もの沈黙を破って新刊『Timeless』を発表した朝吹真理子さん。

次作がなかなか書けなかったので、これほど遅くなってしまったそう。

学者や政治家、実業家を輩出している超エリートな家庭で生まれ育った朝吹さんですが、そんな人でも悩むのだなと勝手に親しみを抱いてしまいました。庶民の私とは悩みのレベルが違うでしょうけれど(;´∀`)

実は私もまだ読んでいないので(;'∀')(今海外なので読めない!Kindle本もまだない)、読んだ気になるために、ネットの情報を参考にして内容や感想をまとめてみました。

朝吹さんのご家族やファッションについては「朝吹真理子はブルーシート好きで家族が凄い!ファッションもお洒落で素敵♪

新刊『Timeless』の内容は?

うみとアミという二人の男女が登場します。それぞれ性別が分かりにくい名前ですが、朝吹さんはあえてそのわかりにくさを狙っているそうです。ちなみに、うみが女性、アミが男性です。

二人はお互いに恋愛感情を抱かぬまま子供をもうけるそうですが、こういった部分も、「男女の間には恋愛感情が不可欠だ」と決めつける近代社会への疑問を呈しているように感じます。

朝吹さんはインタビューで以下のように語っています。

うみはクラゲに憧れている人で、どうしてクラゲが好きなのかっていうと、自分の意志を持って海を泳ぐんじゃなくて、基本的に海流に流されて生きている。(中略)

恋愛をする自由があるように、恋愛をしない自由も人間にはあって、うみは恋愛をしない自由を選んでいる人だと思います。

引用:Figaro 

クラゲのように、なりゆき任せで生きているうみ。従来の男女の枠に囚われない生き方を体現している人も増えた昨今、うみの姿は多くの人の共感を集めるのではないでしょうか。

『Timeless』というタイトルが示す通り、性別や自分と他人の区別という垣根の「bordeless(ボーダレス)」というテーマが、作品の底に流れています。

ふだん生きていると「わたし」という個体があるように感じていますが、個人というのはとても曖昧なんじゃないかと思うんですね。自と他というのは、そんなに明瞭に分けられないんじゃないかということを、ずっと思っています。

引用:Figaro 

作品に登場する時間も様々で、四百年前の物語、うみやアオたちの生まれた1960年代、近未来の2020年代、南海トラフ地震が発生した後の2035年と、様々な時間軸が『Timeless』に登場するそう。

作品後半には、うみとアミの息子、アオが登場します。父親のアミはアオが生まれる前に姿を消したので、アオは父のことを知りません。アオはまだ見ぬ父と再会できるのでしょうか。

『Timeless』の感想

文章が心地よい

「夢の中にいるよう」「ふわふわくらげのような浮遊感がある」「文章が瑞々しく透明感がある」など、文章を褒める言葉が多く見受けられました。

「タイムレス」「ボーダレス」といった、自他との境界線が曖昧な世界が作品の通奏低音として流れているので、時空を一切無視した「夢」のような世界が描かれているのでしょう。

時間や空間、自と他、男と女、近代社会が明確に区別するこういった存在のボーダーを飛び越えた、何もかもはっきり区切らない曖昧で優しい世界。そんな世界はきっと心地よいだろうなと思いました。

せわしない現代社会の「時間」から離れて、時間がゆったり流れる場所で読みたい一冊です。

様々な知識が散りばめられている!

古典の引用や歴史など、様々な知識が作中で展開されているそうです。雨や香水、蚕、わらび餅についての知識も。個人的に、知的な人は大好きです。

最初はベタ褒めだったのに、

「わらび餅がコーンスターチーでできているとか、どうでもいい。」

引用:アマゾン

というアマゾンの書評に笑ってしまいました。

雑学本ではありませんが、トリビアは増えそうですね(^^)/

本の装丁が素敵

『Timeless』の装丁は「カラー」という名の花がモチーフになっています。

ちなみに、この花は花びらに見える部分がサトイモ科特有の「仏炎苞(ブツエンホウ)」で、真ん中の部分に小花が密集しているそう。

本の表紙では、花のある穂の部分が透けて見えています(私も「調べた」知識を披露してみました^^)。

朝吹さんにとって、装丁は「小説と出会う窓」だとか。こちらの装丁は、朝吹さん自身も気に入っているそうです。お部屋に飾りたくなる一冊です。

朝吹真理子新刊『Timeless』まとめ

  • うみとアミという男女の物語だが、二人に恋愛感情はない
  • 過去と未来、自と他、男と女など、近代社会が明確に区切ってきたことへのアンチテーゼでは?
  • 夢の中のような心地よく瑞々しい文体
  • 作中には豊富な知識が散りばめられている
  • 本の装丁がお洒落で素敵