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藤田嗣治「カフェ」はフランスの「プール」が所蔵!インスタ映えする素敵な美術館♪

現在、「没後50年 藤田嗣治展」が上野の東京都美術館で開催中です。人生の半分以上をフランスで暮らし、晩年はフランスに帰化した藤田嗣治の作品は、油彩を用いながら日本画的な技法や表現で独特の世界観を生み出し、世界的に高く評価されています。

そんな藤田嗣治の没後50周年を記念する今回の展覧会のメインビジュアルとなっているのが、『カフェ』という作品です。

展覧会のメインビジュアル『カフェ』(1949年)

こちらの作品はパリのカフェがモチーフになっているように見えますが、パリではなくニューヨーク滞在中に描かれたものです。

戦後の1949年、日本と決別した後藤田は短い間ニューヨークに住んでいました。

この作品は、カフェの外に広がる背景は明らかにパリの街並みですし、戦前彼が住んでいたパリのモンパルナスから着想を得ています

現物の絵を鑑賞する際には、木枠にも注目してみてください。コーヒーカップやサイコロなどがあしらわれ、パリへの郷愁が満ちています。

今回の企画展を監修した美術史家の林洋子さんは、以下のように述べています。

「《カフェ》は、日本でもなくパリでもなく、藤田が1949年に日本を出てから約1年NYにいた時に描いた、『NY製のパリイメージである』ということを強調したい。また、藤田はこの年まで戦争で命を落とさず、筆を折らず、よく描き続けられたと思う。彼の人生には色々なことがあったが、これが描けたという奇跡を伝えたい」

引用:『没後50年 藤田嗣治展』レポート 日本初公開含む100点以上の作品が、東京都美術館に集結!

ニューヨークにいても、パリのことを考え恋焦がれていた藤田。ピカソ、モディリアーニ、スーティンらアーティスト仲間と過ごしたパリの思い出は、彼にとって忘れられないものだったのでしょう。

藤田嗣二の『カフェ』は普段どこにある?


今回日本での展覧会で「来日」している当作品ですが、普段はフランスのルーベ(Roubaix)というベルギーとの国境にほど近い町にある、「ラ・ピシーヌ、ルーベ工芸美術館」に展示されています(所有者はパリのポンピドゥーセンターのようですが)。

(参考:PRÊT LÉONARD FOUJITA : VOYAGE AU PAYS DU SOLEIL LEVANT

「ピシーヌ(フランス語でプール)」という名の通り、元々プールだった建物を利用しています。元々この町に美術館があったのですが、戦中に閉館されてしまったので、新しい美術館の場所として市民プールに白羽の矢が立ったのです。

ちなみに、藤田の『カフェ』は東京の後は10月19日~12月16日まで京都の国立博物館、それから2019年1月15日までフランス・ランスのサン・レミ美術館の「Le goût du Japon, voyages et collections à l’ère Meiji(日本趣味、明治時代の旅とコレクション)」展のために貸し出されるそうです。

今年は藤田嗣治没後50年の上に日仏交流160年なので、あちこちで引っ張りだこのようです。

ラ・ピシーヌがあまりにも美しすぎる!


市民の憩いの場だったプールは、オルセー美術館を手掛けたジャン=ポール・フィリポンによって2001年に美術館へと変貌を遂げました。

私も実際にこの美術館へ行きましたが、レトロなアールデコ調の装飾窓が本当に綺麗で、とっても素敵でした!窓から漏れる日の光がプールの水面に反射し、キラキラ輝いていました。あまりの美しさに、いつまでも居たいと思ってしまいます。

豪華なタイルやシャワー室も当時のままで、かなりプール感があります。誰でもインスタ映えする写真が撮れるスポットと言えます(^^♪

ホームページ「Roubaix La Piscine(フランス語)」

美術館の収蔵作品は?


主に19世紀以降の作品を収蔵しており、絵画や彫刻、陶磁器などの工芸品のコレクションを見ることができます。

藤田嗣治の他に、ピカソやボナール、カミーユ・クローデルなど名だたる芸術家の作品が収められています。

プールサイドには彫刻作品が置かれ、周囲を巡りながら作品を堪能することができます。

レストランもいい感じ

美術館に併設されたレストランは、リールで有名な「Meert(メール)」。

メイン、デザート、飲み物、コーヒーが付いたランチ「FORMULE EXPRESS」は、21.50ユーロとリーズナブルです。私は鶏肉とナスのグラタンをオーダーしましたが、野菜たっぷりで結構おいしかったです。赤ワインを飲みながら楽しみました。

デザートには名物の「GAUFRE MEERT(ゴーフル・メール)」を食べました。小判型のワッフルで、バニラのフレーバーが感じられます。さっぱりしていてくどさのない、素朴な味わいのスイーツです。

「ラ・ピシーヌ、工芸美術館」へのアクセス

  • 地下鉄を利用する場合:Gare Jean Lebas(ガール・ジャン・ルバ)駅またはRoubaix Grand Place(ルーベ・グラン・プラース)駅下車
  • 電車を利用する場合:Roubaix(ルーベ)駅下車
  • いずれの場合も、徒歩10分くらいです。

まとめ

  • 今回の展覧会のメインビジュアルの『カフェ』は藤田のNY滞在中に描かれた「NY製のパリ」
  • 藤田の『カフェ』は普段ルーベという町にある「ラ・ピシーヌ、ルーベ工芸美術館」にある
  • 「ラ・ピシーヌ、ルーベ工芸美術館」はプールを利用した美術館で内装がとても綺麗
  • 19世紀、20世紀の絵画・彫刻・工芸作品を収蔵
  • 地元の美味しいレストラン「Meert(メール)」も併設されている