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2018年新ノーベル文学賞候補ニールゲイマン、マリーズコンデ、キムトゥイはどんな作家?

今年のノーベル賞は選考委員の不祥事で見送りになりましたが、ノーベル文学賞に代わる賞が今年限りで新設されることになりました。日本人作家の村上春樹も最終候補の4人の一人に残っており、受賞者の発表に注目が集まりそうです。

今回は、ノーベル文学賞の代替となる賞の概要や、4名にまで絞られた最終候補者たちのプロフィールについてご紹介したいと思います。

賞の主催者は?

引用:https://www.dennyaakademien.com/

賞を主催するのは、NPO法人の「ニュー・アカデミー」という団体で、スウェーデン・アカデミーと5つの異なる委員会の下で活動しています。

政治や宗教、商業活動とは一切関りがない団体で、活動は寄付によって成り立っているそうです。もし寄付をしたいという方は、ニュー・アカデミーのFacebookページからコンタクトを取りましょう。

発表&授賞式はいつ?

The winner will be announced on October 12th and presented at a formal event with a grand celebration December 9th 2018.

The New Academy will be dissolved in December.

引用:https://www.dennyaakademien.com/

受賞者は2018年10月12日(金)に発表され、授賞式は12月9日(火)に行われる予定です。そして、12月中にはニュー・アカデミーは解散するそうです。

最終候補の4人の作家は?

選考委員会がノミネートした世界中の47人の候補たちは、一般投票で4人にまで絞られました。47人の中には、『ハリーポッター』シリーズで有名なJ.Kローリングや、日本でも人気の米作家ポール・オースターなども候補に挙がっていました。

以下では、最終候補に選ばれた4人の作家についてご紹介しましょう。

ニール・ゲイマン(Neil Gaiman)

SF・ファンタジー作家兼脚本家と、先に紹介した二人の女性作家とはまた違ったジャンルの作家さんです。大ヒットしたアメコミ『サンドマン』の原作者としても知られ、児童文学作品『コララインとボタンの魔女』、カーネギー賞やヒューゴー賞を受賞したSF作品『墓場の少年ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活』 など、代表作は多数あります。ちなみに、スタジオジブリの作品『もののけ姫』の英訳脚本も手掛けています。

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作家としてのデビュー作は、イギリスのロックバンド、デュラン・デュランの伝記だそうです。

日本語に翻訳されているニール・ゲイマンの著書はたくさんあるので、一部を紹介します。

マリーズ・コンデ(Marys Condé)

マリーズ・コンデは、フランス海外県グアドループ出身の作家で、かつてBBCフランスの記者も務めていたそうです。彼女の小説は人種や性、文化などがテーマで、17世紀にアメリカで起こった「セイラム魔女裁判」や18世紀初頭に勃興した西アフリカの「バンバラ王国」など歴史的な出来事を題材にした作品を多数手がけています。

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カリブ海に浮かぶ島でありながらフランス領のグアドループは、歴史も複雑です。世界史に興味がある人は楽しめそうな作家さんです。

日本語に翻訳されているマリーズ・コンデの著書は以下の通りです。

キム・トゥイは1968年ベトナムのサイゴン生まれで、10歳の頃ベトナム戦争の難民として船でカナダまでたどり着き、それ以来カナダで暮らしています。デビュー作の『Ru(リュ)』は2010年のフランス語総領事賞( Governor General's Award for French-language fiction)を受賞しています。彼女のその経歴から難民や移民を題材にした作品が多く、ベトナムの色彩やにおい、味まで活き活きと描き出しています。

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キム・トゥイもマリーズ・コンデ同様、フランス語で作品を発表しており、さらに歴史と深い関わりのあるテーマを扱う作家さんですね。

残念ながら、今のところキム・トゥイの著書は日本語に翻訳されていません。著作一覧は以下の通りです。

  • Ru(2009)
  • À toi (2011)パスカル・ヤノヴジャック(Pascal Janovjak)との共著
  • Mãn (2013)
  • Vi (2016)
  • Le secret des Vietnamiennes(『ヴェトナム女性たちの秘密』) (2017)

村上春樹

皆さんご存じだとは思いますが、一応ご紹介いたします。

村上春樹は、日本のみならず世界中で最も読まれている作家の一人と言えます。1979年に『風の歌を聴け』で鮮やかなデビューを飾り、1987年に1000万部ものベストセラーになった『ノルウェイの森』で一般的にも名前が知られるようになりました。代表作は『ねじまき鳥クロニクル』『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』『海辺のカフカ』『1Q84』など。最新長編は『騎士団長殺し』。

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村上春樹嫌いのアンチハルキストも多いですが、私は個人的に大好きでほぼ全部読んでいます。私は個人主義な人間で自由が一番大切だと考えているので、自由を奪う無機質な「体制」との闘いを描く村上作品に大きな共感を覚えますちなみに、私が一番好きな作品は短編集『中国行きのスロウ・ボート』に収められている『最後の午後の芝生』という短編です。長編もいいけど、短編も素敵なんです!

2018年ノーベル賞の「代替文学賞」まとめ

  • ノーベル文学賞の代替となる賞はニュー・アカデミーというNPOが主催
  • 受賞者の発表は2018年10月12日(金)で、受賞式は同年12月
  • 47名の候補者の中から一般投票で4名まで最終候補者が絞られた
  • 最終候補者の中には村上春樹の名もあった
  • 4名の最終候補者はそれぞれ異なるバックグラウンドを持つ