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海外在住者は日本の年金を払う必要ない?二重加入や任意加入と留学時の免除について

海外在住者にとって、年金は悩みの種だと思います。私も今まで結構あれこれ悩んできました。

今回は、海外に居住する日本人の年金事情についてご紹介します。私のケースもご紹介するので、良ければ参考にしてみてください。

フランスで個人事業主をしている方はこちらのページも参考にしてみてください。

2018年にフランスで個人事業主になってみた

フランスで個人事業主になってみた。社会保障費の申告編

海外在住者の場合は任意加入

日本国籍がある人が海外に居住する場合、国民年金の加入は義務ではなくなり、国民年金に任意加入するか否か選択できます

任意加入を選ぶ場合は、お住まいの近くの役所に行って手続きをする必要があります。

とはいえ、外にいる間はカラ期間(受給に必要な年月としてカウントされる、合算対象期間)扱いされるものの、将来受け取れる金額にはまったく反映されないので注意しましょう。

また、ご存じだとは思いますが、2017年に年金の受給に必要な加入期間が25年から10年に短縮されました。それまで受給資格のなかった人も受け取れるようになるので、心当たりのある人は要チェックです。

任意加入の場合は、日本にいる家族に協力してもらい保険料を納めるか、または銀行の引き落としを利用する方法があります。

ちなみに、海外の大学に進学した場合、「学生納付特例制度(学生のための保険料納付を猶予できる制度)」は利用できないので注意しましょう。

海外の年金事情

二重加入を防ぐ社会保障協定

社会保障協定は、以下の目的で結ばれました。

・保険料の二重負担」を防止するために、加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)

・保険料の掛け捨てとならないために、日本の年金加入期間を協定を結んでいる国の年金制度に加入していた期間とみなして取り扱い、その国の年金を受給できるようにする(年金加入期間の通算)

引用:日本年金機構 社会保障協定

協定以前は、日本から派遣された人は日本の社会保障プラス滞在国の社会保障制度への加入がマストでしたが、協定を結んでいる国であればその国の社会保障費を払うだけで済むようになりました。

日本での加入期間が10年未満でも、居住した国での加入期間を足して10年以上になれば日本の年金の受給資格が発生するようになっています

日本と社会保障協定を結んでいる国は、以下の通りです(注:イギリス、イタリア、韓国、中国については、「保険料の二重負担防止」のみで、「年金加入期間の通算」は適用されません)。

協定発効済の国(全18か国):アイルランド アメリカ イギリス インド オーストラリア オランダ カナダ 韓国 スイス スペイン チェコ ドイツ ハンガリー フィリピン ブラジル フランス ベルギー ルクセンブルク

署名済未発効の国:イタリア スロバキア 中国

アジアに移住する日本人は多いですが、日本と社会保障協定を結んでいるのは今のところ欧米が中心です。

各国の最低加入期間は?(2018年8月現在)

以下、主要各国の年金受給のための最低加入期間をまとめました。最長で30年の国(チェコ)もあれば、一度でもその国に年金を納めたことがあれば受給できる国(オランダ、フランス、ベルギー)もあります。

  • 日本 10年
  • ドイツ 5年
  • イギリス 1年(2016年4月6日以降に65歳になる人は10年)
  • 韓国 20年
  • アメリカ 10年
  • ベルギー なし
  • フランス なし
  • カナダ 老齢年金 カナダ国内在住者 10年・カナダ国外在住者20年・退職年金 なし
  • オーストラリア 10年(うち5年は連続)
  • オランダ なし
  • チェコ 30年
  • スペイン 15年
  • アイルランド 5年 (給付が2012年4月6日以降になる場合は10年)
  • ブラジル 15年
  • スイス 1年
  • ハンガリー 20年
  • インド 10年
  • ルクセンブルク 10年

海外留学する場合、国民年金はどうする?

留学など滞在期間が予め決まっている場合は、特に手続きをせずそのまま年金を納め続けるか、役所に「海外転出届」を出して年金の支払いを一時ストップさせ、帰国してから後納制度を利用して納める方法があります。長期滞在の場合、後者の方をおすすめします。

「海外転出届」を出すと国民年金の他健康保険の加入義務もなくなり、住民税も免除されます。

私のケースを紹介

日本の国民年金を払うか否か、海外在住にとっては悩むところだと思います。

私の場合、フランスでの自営業の社会保障料に加え、今のところ日本の国民年金も払っています。

今のところフランスでの生活がベースで日本に根を下ろす予定はないのですが、海外在住者でも万が一の場合に遺族基礎年金や障害基礎年金が支給されると聞いたので、保険料代わりに払い続けることにしました。

人生何があるかわからないからこういう保障があるのは心強いですし、フランスに納めている年金の金額も今は大したことないので、両国からもらえた方がいいかな、と結論に達しました(とはいえ、今後考えが変わるかもしれませんが)。

私は海外在住ですが日本の企業等とお仕事をすることもあり、日本の銀行にたびたび報酬が振り込まれるので、年金の支払いは引き落としにしています。

参考:国民年金の任意加入の手続き(日本の年金制度への継続加入)

海外在住者の年金事情 まとめ

  • 海外在住の日本人の場合、国民年金は任意加入になる
  • 海外在住期間は合算対象期間になるが、納めなかった場合は受給できる金額に反映されない
  • 海外の学校に進学した場合、学生納付特例制度が利用できない
  • 二重加入の防止、年金加入期間の通算を目的として、日本と社会保障協定を結んでいる国がある
  • 最低加入期間は国によって異なる(30年~なし)
  • フランス在住の私も今のところ任意加入で納めている(遺族・障害年金もあるので)